古林形成外科-札幌院

医療コラム

背中に粉瘤ができる原因を形成外科専門医が解説

背中は粉瘤が出来やすい部位なので日頃のケアが必要です。

しかし、背中は見えない部位なのでケアがしづらく意識も届きにくいです。

今回は背中に粉瘤ができる原因を形成外科専門医が詳しく解説していきます。

背中に粉瘤ができる原因

  • 衣服やリュックなどの摩擦
  • 洗いづらいく皮脂が溜まる
  • 分泌物が多い

順に解説していきます。

衣服やリュック、寝返りなどの摩擦

背中は、日常生活の中で繰り返し摩擦が加わる部位です。

たとえば、

  • 衣服のこすれ
  • リュックによる摩擦
  • 寝返りによる摩擦

など、肌に刺激がかかる機会が非常に多く、常に物理的な負担がかかっています。

特に締め付けの強い下着や通気性の悪い素材は、摩擦に加えて蒸れも引き起こしやすく、皮膚のバリア機能を弱める原因になります。

肌が刺激を受け続けると、毛穴周囲の皮膚が炎症を起こしやすくなり、毛穴の閉塞や皮脂の滞留が起こることで、皮膚の下に老廃物がたまり、粉瘤の形成につながります。

Warning

このように、慢性的かつ軽度な刺激の積み重ねが、粉瘤の引き金となるケースは決して少なくありません。

洗いづらいく皮脂が溜まる

粉瘤は、日々のスキンケア不足や間違った洗浄習慣によっても発生しやすくなります。

とくに洗顔やボディケアを怠ると、毛穴に皮脂や古い角質が溜まりやすくなり、それが毛穴の奥に閉じ込められて粉瘤のもとになります。

特に背中は視界に入らず、どこが洗えてるか把握しづらい部位です。

一方で、洗いすぎやゴシゴシと強くこするようなケアも肌にとっては逆効果です。肌表面のバリア機能が壊れると、乾燥や炎症を引き起こし、皮膚を守ろうと皮脂が過剰に分泌されるようになります。この皮脂の過剰分泌が毛穴詰まりを誘発し、結果として粉瘤が形成されることがあります。

また、クレンジング剤やボディソープのすすぎ残し、入浴後の保湿をしない習慣なども、毛穴環境を悪化させ、粉瘤のリスクを高める原因になります。

粉瘤を予防するためには、「洗いすぎず、洗わなさすぎず」の適切なケアバランスが重要です。肌質に合ったケアを心がけることで、粉瘤の予防にもつながります。

分泌物が多い

背中は、汗腺や皮脂腺が非常に多く分布しており、常に湿度が高くなりやすい環境にあります。

特に、アポクリン汗腺という皮脂腺と同じ場所で開口するタイプの汗腺が集中しており、そこから分泌される

  • 皮脂や汗
  • 老廃物

は、角質(垢)と混ざることで、毛穴に詰まりやすい状態になります。

さらに背中は露出しない分、衣類の中で分泌物が肌表面に滞留しやすく清潔が保ちにくくなるため、皮膚の下に老廃物がたまりやすい環境が整ってしまいます。

Warning

このような状態が続くと、毛穴の奥に袋状の構造ができて老廃物が蓄積し、結果として粉瘤(アテローム)として皮膚に現れることになります。

まとめ

今回は背中に粉瘤ができる原因について解説してきました。

背中は自分の気づかないうちに粉瘤が出来てしまっている可能性の高い部位です。最初は痛みや違和感が無くても、段々と炎症性粉瘤へと発展してしまうこともあります。

粉瘤かも?と思ったら専門機関に行きましょう。

この記事を書いた人

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北海道皮膚のできものと粉瘤クリニック 札幌院 院長 荻野 航太

北海道皮膚のできものと粉瘤クリニック古林形成外科 札幌院では、皮膚疾患を専門とする日本形成外科学会認定の形成外科専門医が診療を担当しています。当院では、粉瘤、脂肪腫、耳垂裂などの疾患に対応した日帰り手術をはじめ、形成外科全般の診療を行っています。

北海道皮膚のできものと粉瘤クリニック古林形成外科 札幌院では、皮膚疾患を専門とする日本形成外科学会認定の形成外科専門医が診療を担当しています。当院では、粉瘤、脂肪腫、耳垂裂などの疾患に対応した日帰り手術をはじめ、形成外科全般の診療を行っています。

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