痛い！足の裏の粉瘤の手術治療法を形成外科専門医が解説

足の裏にできた粉瘤は、皮膚が厚く圧力がかかる場所のため、他の部位に比べて痛みが強く、悪化しやすい傾向があります。

• 「できるだけ早く治したい」
• 「なるべく傷を小さくしたい」

といった方のために、この記事では形成外科専門医が足の裏の粉瘤に対する手術治療法を詳しく解説します。

放置する前に、正しい知識を知っておきましょう。

足の裏の粉瘤に対する治療法｜何科に行けばいいのか

粉瘤を根本的に治すためには、袋（嚢胞）ごと取り除く外科的手術が唯一の確実な方法です。抗生剤や外用薬は一時的に炎症を抑える対症療法に過ぎず、嚢胞が残っている限り再発する可能性が高いため、外科的な除去が推奨されます。

当院では、粉瘤の状態や部位を見極めたうえで、以下の2つの術式から最適な方法を選択しています。

• くり抜き法（トレパン法）
• 切開法（切除術）

どちらも形成外科の専門的な技術が求められる手術となるため、受診すべき診療科は粉瘤手術に長けている「形成外科」が適しています。

くり抜き法（トレパン法）

直径5～7mm程度の小さな穴を開け、トレパンという器具で内容物と嚢胞壁を摘出します。傷跡が小さく、術後の回復が早いのが特徴で、炎症のない比較的小さな粉瘤に適しています。

手術の流れ

当院の傷跡が小さく済む粉瘤の「くり抜き法」

切開法（切除術）

皮膚を切開し、袋状の嚢胞を直接視認しながら確実に摘出する方法。再発リスクが最も低く、大きな粉瘤や炎症・再発を繰り返すケースに適用されます。術後は縫合が必要になることもあります。

手術の流れ

当院の粉瘤「切開法」

足の裏の粉瘤の治療後症例写真

足の親指の付け根側の粉瘤約3ミリをくり抜き法により、除去しました。

足の裏の粉瘤の日帰り手術の費用について

費用は、粉瘤の大きさや部位、炎症の有無、手術方法（切開法またはくり抜き法）によって異なりますが、健康保険（3割負担）の方であれば、おおよそ数千円〜1万円台後半が目安となります。

初診時には丁寧に診察を行い、手術内容や費用について事前に明確にご説明いたしますので、「いくらかかるのかわからない」といった不安は不要です。

また、診察から手術まで短時間で完了し、日帰りでお帰りいただけるため、交通費や時間の面でも負担が少なく、スムーズに治療を受けていただけます。

当院の粉瘤手術にかかる費用のすべて

足の裏後の粉瘤の治療後の注意点

創部のケア

手術直後は、傷口にガーゼを当てた状態でお帰りいただきます。

手術後1〜3日ほどは、血液や体液でガーゼが滲みやすくなるため、毎日新しいものに取り替えてください。その際、シャワーで創部を洗い流しても問題ありません。血液や分泌物が止まったら、ガーゼからテープに変更してください。

入浴

手術翌日からシャワーでの入浴が可能です。ただし、浴槽での入浴は感染リスクがあるため、抜糸するまでは控えてください。

運動

手術当日・翌日、場合によては抜糸するまで控えて頂いた方が安心です。詳細については手術後にご説明いたします。

飲酒

アルコールを摂取すると血行が良くなり、血腫（血のたまり）ができやすくなる恐れがあります。手術当日と翌日のアルコール摂取は控えてください。

まとめ

足の裏にできた粉瘤は、痛みや歩行時の不快感が強く、放置すると炎症や感染を起こす可能性もあります。

早期に形成外科で正確な診断と適切な手術を受けることで、再発や傷跡を最小限に抑えることが可能です。

症状に気づいたら、我慢せず専門医に相談しましょう。日常生活を快適に取り戻すためにも、早めの対応が大切です。

粉瘤（アテローム）