石灰化上皮腫の治療方法!手術の流れ・保険適用・術後ケアまで徹底解説

石灰化上皮腫は基本的に良性腫瘍ですが、自然に治ることはなく、治療には外科的な切除が必要です。
この記事では、石灰化上皮腫の
- 基本的な治療方法
- 保険適用の可否
- 手術費用の目安
- 術後のケア
までわかりやすく解説します。
石灰化上皮腫の手術が必要になるケース

石灰化上皮腫(せっかいかじょうひしゅ)は、皮膚の中にできる良性の皮膚腫瘍で、触ると硬く、白っぽいしこりとして現れます。
特に顔や腕・脚など露出部にできやすく、「粉瘤(アテローム)」と誤認されることが多いのが特徴です。
組織の中にカルシウム(石灰)成分が沈着しており、レントゲンで白く映ることもあります。
基本的に良性のできものなので放っておいても命にかかわる病気ではありませんが、以下のような場合は切除手術が推奨されます。
- 見た目が気になる
- 徐々に大きくなってきている
- 痛み・炎症・感染を繰り返している
- 圧迫されて生活に支障がある
石灰化上皮腫の治療方法

形成外科で行う「切除+縫合」が基本
治療の基本は形成外科での「外科的切除」です。皮膚を切開し、腫瘍を根元から取り除いたうえで丁寧に縫合します。
「石灰化」という特殊な成分が含まれているため、内容物を押し出すだけでは不完全で、再発の可能性が高くなってしまいます。
確実に治すには、周囲の被膜ごとすべてを切除する必要があります。
レーザー治療は基本的に不向きな理由
石灰化上皮腫は深さと硬さがあるため、CO2レーザーや電気メスでの表面的な処置は適応になりません。
仮にレーザーで焼いても、内部に残った細胞が再増殖して再発するケースが多く、結果的に再手術になることもあります。
再発リスクを防ぐために大切なこと
再発を防ぐには、皮膚腫瘍に熟練した形成外科医の手術を受けることが重要です。
特に顔や目の周囲など、見た目の仕上がりが気になる部位では、皮膚のしわや緊張線(RSTL)に沿った縫合技術が求められます。
石灰化上皮腫は保険適用になる?
医療的に必要と判断されるケース
石灰化上皮腫の切除は、医学的に必要な処置として、原則として健康保険が適用されます。
実際には粉瘤と同様、「病理検査」や「感染予防」が目的となるため、ほとんどの症例が保険対応となります。
自由診療になる場合とは
反対に、保険適用外(自由診療)となるのは、以下のような特殊なケースです:
- 明らかに小さく、見た目の改善を目的で除去する場合
- 同時に複数の部位を処置したいなど、任意の希望が強い場合
通常の治療目的であれば、自由診療になることはまれです。
治療費の目安|保険が使える場合の負担額は?
保険適用時(3割負担)の費用は、以下が目安です:
- 顔・首など露出部:5,000~9,000円前後
- 背中・太ももなど非露出部:3,000~6,000円前後
この中には、手術料・診察・病理検査・処方薬などが含まれます。
※自由診療の場合はクリニックにより異なりますが、1万円~数万円程度になることが多いです。
術後のアフターケアと注意点
傷跡をきれいに治すためにできること
術後は次のようなケアを行うことで、傷跡をきれいに保つことができます。
- 医師の指示に従い、毎日清潔を保つ
- 洗顔やシャワーは翌日から可能(患部はやさしく)
- 紫外線を避け、日焼け止めや保護テープを活用
- 傷跡が赤く盛り上がった場合は、医師に相談し外用薬などで調整
抜糸・通院のタイミング
- 抜糸:5~7日後(顔の場合)/10日前後(身体)
- 経過観察:術後1~2回の通院でOK
腫瘍の深さや縫合部位によって異なりますが、数回の通院で終了します。
石灰化上皮腫の治療前に多い質問
手術は痛い?ダウンタイムはある?
局所麻酔を使用するため、手術中の痛みはほぼありません。
術後に少し腫れや赤みが出ることはありますが、日常生活は当日から可能です。
何科で治療を受ければいい?
石灰化上皮腫は皮膚腫瘍の扱いに慣れた形成外科での治療が適しています。
見た目と安全性、両方の視点から手術を受けたい場合は、形成外科専門医がいるクリニックを選びましょう。
まとめ|石灰化上皮腫の治療は形成外科での確実な切除が安心
石灰化上皮腫は、放置しても自然に治ることはなく、確実に治療するには切除手術が必要です。
保険診療の対象となるケースがほとんどで、負担も比較的軽く、きちんと処置すれば再発のリスクも低くなります。
とくに顔などの目立つ場所にできた場合は、美容面にも配慮できる形成外科での治療が安心です。
「粉瘤だと思っていたけど、診断が違った」「しこりが気になる」と感じたら、まずはお気軽にご相談ください。