目の下の皮膚は、顔の中で最も薄い部分とされています。目の下のクマはさまざまな要因が重なることで現れ、原因によって次の3つの種類に分類されます。
青クマ:血行不良・うっ血

青クマは、目もとの血行不良やうっ血によって現れる種類のクマです。暗赤色の「還元ヘモグロビン」を含む血液が増え、薄い皮膚を通して毛細血管が透けて青黒く見えるのが特徴です。幼少期から青クマがある方は、年齢とともに悪化する可能性があります。
青クマの原因としては、以下が挙げられます。
- 疲労
- ストレス
- 寝不足
- ドライアイ
- 冷え
- 肩こり
- 貧血
- ホルモンバランスの乱れ
これらの要因が血行不良を引き起こし、青クマにつながります。青クマは外科的治療が難しいため、血流の改善や新陳代謝の促進、リンパの流れを促す治療が効果的とされています。症状に応じて、内服薬も処方し治療効果を高めます。
茶クマ:くすみ・色素沈着

茶クマとは、目の下が茶色っぽく黒ずんで見えるクマのことです。茶クマが現れる主な原因としては、以下のとおりです。
- 過度な目こすり
- 不適切なアイメイクの除去
- 目のまわりの色素沈着
- 皮脂の酸化
- 紫外線によるメラニンの蓄積
茶クマの治療法としては、レーザー治療が有効です。レーザーを使用してメラニン色素を皮膚から取り除き、新陳代謝によって体外に排出します。状態によっては、下まぶたの余分な皮膚を手術で取り除く方法もあります。
黒クマ(影クマ):目の下の脂肪・痩せ

黒クマ(影クマ)は、目の下に影ができたように見えるクマです。黒クマには、主に以下の2種類があります。
- 目の下の脂肪が原因のもの
- 痩せることで目もとがくぼんで生じるもの
目の下の脂肪による黒クマ
脂肪が原因の黒クマは、加齢により眼球を支える靭帯が衰えることで生じます。靭帯が衰えると、眼窩脂肪が外へ押し出され、下まぶたが突出します。また、皮膚や眼輪筋のたるみが原因となる場合もあります。
治療法としては、下まぶたの裏側を切開し、余分な脂肪を取り除く脱脂手術が有効です。
目の下の「痩せ」による影クマ
加齢によって目の上下が痩せてくぼみができると、その影が原因でクマが生じます。目の下が痩せてできる影クマは「骨格クマ」と呼ばれます。特に、大きく丸みを帯びた目の方は、骨格クマを引き起こしやすい傾向があります。
影クマの治療法としては、目の下にヒアルロン酸やコラーゲンを注入し、くぼみを目立たなくする方法が有効です。