古林形成外科-札幌院

医療コラム

粉瘤を自分で潰したら血が出た・血が止まらない!どうすればいい?形成外科専門医が解説

粉瘤を自分で潰してしまい、血が出て驚いたという方は少なくありません。一見、膿やが出てスッキリしたように思えても、自己処理は感染や悪化のリスクが高く、注意が必要です。

この記事では、粉瘤を潰して出血してしまった場合の正しい対処法や、今後の注意点について形成外科専門医がわかりやすく解説します。

粉瘤を自分で潰したら血が出た・血が止まらない!どうすればいいか

粉瘤を自分で潰して血が出た場合、まずは清潔なガーゼなどで圧迫止血し以下の事をを行ってください。

  • 洗浄する
  • 市販薬や軟膏は効かない

順に解説します。

洗浄する

粉瘤を潰してしまった直後は、とにかく患部を速やかに洗浄し、清潔を保つことが最優先です。石けんと流水でやさしく洗った後、清潔なガーゼで覆い、細菌感染を防ぎましょう。

ただし、強く擦ったり、アルコールなど刺激の強い消毒液を使用するのはNGです。皮膚のバリアを壊して炎症が悪化する可能性があるため、刺激の少ない洗浄と保護を心がけてください。

また、破れた皮膚から内容物が残って出てくることもありますが、自分でさらに押し出すのは絶対に避けましょう。中途半端に袋の一部だけが破れた状態では、かえって感染や膿瘍形成(うみがたまる状態)を引き起こすリスクが高まります。

市販薬や軟膏は効かない

とりあえず薬を塗っておこう」と考えがちですが、市販の抗菌軟膏や湿潤治療用の絆創膏では粉瘤の根治はできません。

粉瘤はあくまで皮下に嚢胞(袋)を形成する腫瘍であり、その袋を取り除かない限り再発を繰り返します。市販薬は一時的に炎症を抑えることがあっても、根本的な解決にはなりません。

また、症状によっては「リンデロン」などのステロイド外用薬を塗る人もいますが、誤ったタイミングで使用すると感染を助長する危険性もあるため、自己判断での使用は避け、必ず医師の指示を受けてください。

粉瘤から血が出てしまったら専門クリニックを早めに受診しましょう

潰してしまった粉瘤は、外見上しぼんで見えても皮膚の下に袋が残っていれば再発を避けることはできません。しかも一度破裂した粉瘤は周囲の組織と癒着を起こしやすく、再手術ではより大きく切開が必要になることもあります。

そのため、早期に

粉瘤治療の専門クリニック、または形成外科医が常駐する医療機関を受診する

ことをおすすめします。

専門医であれば、炎症の有無や嚢胞の状態に応じて、最小限の傷で袋を取り除く手術(くり抜き法切開法)を提案してくれます。

自己処置を続けるほど治療は難しくなり、見た目の問題や傷跡も残りやすくなります。「潰してしまったから今さら受診しづらい」と思わず、早めの相談が最もリスクを抑える方法です。

まとめ

粉瘤を潰して血が出た後、早めに医療機関を受診することが大切です。

自己処理では袋が残って再発や感染のリスクが高くなるため、専門的な治療が必要になります。特に腫れや痛み、膿が出ている場合は早急な対応が求められます。粉瘤は放置せず、形成外科などの専門医に相談することで、適切に治療を受けることができます。安全で確実な治療のためにも、自己判断は避けるようにしましょう。

この記事を書いた人

著者画像
北海道皮膚のできものと粉瘤クリニック 札幌院 院長 荻野 航太

北海道皮膚のできものと粉瘤クリニック古林形成外科 札幌院では、皮膚疾患を専門とする日本形成外科学会認定の形成外科専門医が診療を担当しています。当院では、粉瘤、脂肪腫、耳垂裂などの疾患に対応した日帰り手術をはじめ、形成外科全般の診療を行っています。

北海道皮膚のできものと粉瘤クリニック古林形成外科 札幌院では、皮膚疾患を専門とする日本形成外科学会認定の形成外科専門医が診療を担当しています。当院では、粉瘤、脂肪腫、耳垂裂などの疾患に対応した日帰り手術をはじめ、形成外科全般の診療を行っています。

医療コラム一覧へ戻る
WEB予約
電話アイコン 電話予約
カレンダーアイコン WEB予約
トップぺ戻る