陰部(デリケートゾーン)に粉瘤ができる原因と特に女性に多い理由

陰部(デリケートゾーン)は粉瘤ができやすい部位。陰部は、
- 皮膚が薄い
- 下着などによる物理的刺激が多い
- 皮脂分泌の多い
などが原因となり、気づかないうちに粉瘤が形成され進行しやすいのも特徴です。
ニキビやただのしこりと見分けがつきにくいため、放置して悪化させてしまう方も少なくありません。
この記事では、「なぜデリケートゾーンに粉瘤ができやすいのか」をはじめ、症状・治療法・費用・予防策・よくある質問まで、専門クリニックの視点から詳しく解説します。
陰部(デリケートゾーン)に粉瘤ができる原因。特に女性が多いです

- 摩擦が多い
- 皮膚が薄い
- 分泌物が多い
順に解説していきます。
摩擦が多い

デリケートゾーンは、日常生活の中で繰り返し摩擦が加わる部位です。
たとえば、
- 下着やナプキンによる接触
- 歩行時の擦れ
- トイレ後の拭き取り
- 座位での圧迫
など、肌に刺激がかかる機会が非常に多く、常に物理的な負担がかかっています。

特に締め付けの強い下着や通気性の悪い素材は、摩擦に加えて蒸れも引き起こしやすく、皮膚のバリア機能を弱める原因になります。
肌が刺激を受け続けると、毛穴周囲の皮膚が炎症を起こしやすくなり、毛穴の閉塞や皮脂の滞留が起こることで、皮膚の下に老廃物がたまり、粉瘤の形成につながります。

また、生理中はナプキンの使用頻度が増えるため、摩擦や蒸れがさらに強くなり、粉瘤ができやすい状態が重なりやすい時期でもあります。
皮膚が薄い

デリケートゾーンは、体の中でも特に皮膚が薄く敏感な部位です。皮膚の構造として、角質層が非常に薄く、外部刺激に対するバリア機能が弱いため、ちょっとした摩擦や圧迫でもダメージを受けやすいのが特徴です。
たとえば、
- 下着の締め付け
- ナプキン・ライナーによる接触
- 脱毛後の肌の摩擦
など、日常生活の中で繰り返し刺激が加わることが多く、それが慢性的な炎症につながりやすい環境にあります。
炎症が起きると、毛穴の周囲が腫れやすくなり、皮膚の下に老廃物が閉じ込められるような状態になってしまいます。これが袋状の嚢腫を形成し、粉瘤へと進行する原因となるのです。
分泌物が多い

デリケートゾーンは、汗腺や皮脂腺が非常に多く分布しており、常に湿度が高くなりやすい環境にあります。
特に、アポクリン汗腺という皮脂腺と同じ場所で開口するタイプの汗腺が集中しており、そこから分泌される
- 皮脂や汗
- 老廃物
は、角質(垢)と混ざることで、毛穴に詰まりやすい状態になります。
さらに下着やナプキンの使用は通気性を低下させ、分泌物が肌表面に滞留しやすく、清潔が保ちにくくなるため、皮膚の下に老廃物がたまりやすい環境が整ってしまいます。
陰部(デリケートゾーン)にできた粉瘤の症状

陰部(デリケートゾーン)にできた粉瘤の症状
- 硬いしこり・黒い点があれば要注意
- 痛み・腫れ・炎症
- かゆみ
- 圧迫すると内容物が出てくる
硬いしこり・黒い点があれば要注意

デリケートゾーンにできる粉瘤は、皮膚の下にできる“硬いしこり”として自覚されることが多いのが特徴です。
触れるとコリコリとした感触があり、しっかりと内部に何かが詰まっているような感触があります。

特に注意すべきなのは、しこりの中央に小さな黒い点(開口部)が見える場合です。
これは、皮膚の表面とつながった開口部で、粉瘤特有の構造です。
この穴から
内容物(皮脂や角質のかたまり)
が出てくることもあり、特有のにおいがすることもあります。

ニキビや脂肪の塊と誤解されやすいものの、粉瘤は皮膚の奥に袋状の構造(嚢胞)が形成されている点が大きな違いです。そのため、一時的に小さくなっても、袋が残っていれば再発します。

こうした
- しこり
- 黒い点
の組み合わせが見られる場合は、粉瘤の可能性が高いため、放置せずに早めの受診をおすすめします。
痛み・腫れ・炎症

粉瘤は、炎症や感染を起こすことで急激に悪化することがあります。
通常粉瘤は無痛のしこりとして存在していますが、細菌が入り込んで感染を起こすと、赤く腫れ上がり、
- 強い痛み
- 熱感
- 発熱
- 膿の排出
などの症状が現れるようになります。

特にデリケートゾーンでは、炎症がさらに刺激されやすく、日常生活に大きな支障をきたすこともあります。

痛みが強くなると、歩行やトイレのたびに苦痛を感じたり、寝返りもつらくなるケースもあります。
また、炎症を繰り返すことで
- 周囲の皮膚が硬くなる
- 色素沈着や変形
が残ったりする可能性もあるため、「少し痛いだけだから」と放置せず、早めに医療機関を受診することが大切です。
痛み・腫れ・膿が出る=粉瘤が悪化しているサインと考え、専門医の診察を受けましょう。
かゆみ
粉瘤の初期段階では、はっきりとした痛みではなく「なんとなくかゆい」といった軽い違和感から始まることがあります。
特にデリケートゾーンは摩擦や蒸れが起こりやすいため、かゆみの原因が一時的な肌荒れやムレによるものだと勘違いしやすいのが注意点です。
しかし、皮膚の下で嚢胞(袋)が形成され始めていると、皮膚の内部がゆっくりと圧迫され、炎症の前兆としてかゆみを感じることがあるのです。
また、下着やナプキンの繰り返しの摩擦によって、粉瘤が刺激されてかゆみが悪化するケースもあります。
強く掻いたり、こすったりしてしまうと、その刺激で炎症を引き起こし、粉瘤が急に腫れたり、痛みに変わることもあるため、軽いかゆみでも侮らず、様子をよく観察することが大切です。
圧迫すると内容物が出てくる

粉瘤は皮膚の下に袋状の構造(嚢胞)ができ、その中に皮脂や老廃物がたまることで形成されます。
そのため、指で押したり摩擦が加わったりすると、袋の中の内容物が皮膚の開口部から排出されることがあり、白くてドロッとした、独特の臭いを伴う物質が出てくることがあります。

一見、「膿が出たから治った」と感じてしまう方もいますが、これはあくまで袋の中身が一時的に出ただけで、根本的な解決にはなっていません。
皮膚の下にある袋自体が残っていれば、再び中に老廃物がたまり、何度でも再発してしまいます。
また、内容物を無理に押し出すことで炎症や感染を引き起こすリスクが高まり、痛みや腫れが急速に悪化することもあるため、自分で潰したり押し出す行為は絶対に避けましょう。
内容物が出てきた時点で、すでに粉瘤が進行している証拠ともいえるため、早めに専門医を受診し、適切な処置を受けることが大切です。
陰部(デリケートゾーン)に粉瘤をできにくくする予防法

粉瘤は体質や皮脂分泌の影響を受けやすいとはいえ、日常生活の中でのちょっとした工夫によって、発生や再発のリスクを減らすことが可能です。
特にデリケートゾーンは、摩擦・蒸れ・分泌物が多いという環境的な要因が重なりやすいため、以下のようなポイントを意識して予防に努めましょう。
- 通気性のよい下着を選ぶ
- 長時間の蒸れを避ける
- 清潔を保ちつつも洗いすぎない
- 肌に合わないナプキン・下着は避ける
- 摩擦や締めつけの少ない衣類を選ぶ
通気性のよい下着を選ぶ
締めつけが強すぎる下着や化学繊維のものは、蒸れや摩擦の原因になります。綿素材など肌に優しく通気性の良い素材を選ぶことが理想です。
長時間の蒸れを避ける
生理中や運動後など、湿気がこもりやすいタイミングでは、こまめに下着やナプキンを交換し、皮膚を長時間湿った状態にしないことが大切です。
清潔を保ちつつも洗いすぎない
デリケートゾーンは皮脂や常在菌のバランスも重要です。洗いすぎると逆にバリア機能を壊し、炎症や乾燥によって粉瘤ができやすくなることも。専用の低刺激ソープを使用し、優しく洗いましょう。
肌に合わないナプキン・下着は避ける
かゆみやかぶれを感じたことがある製品は、粉瘤やその他の皮膚トラブルの引き金になる可能性があります。素材や使用感に違和感を感じたら、無理に使い続けないことが大切です。
摩擦や締めつけの少ない衣類を選ぶ
スキニージーンズやタイトなガードルなど、圧迫の強い衣類は皮膚へのストレスが大きくなります。長時間の着用は控え、身体に優しい服装を心がけましょう。
こうした生活習慣の見直しを行うことで、デリケートゾーンに粉瘤ができにくい環境を整えるとともに、再発予防にもつながります。
陰部(デリートゾーン)粉瘤に寄せられる質問

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女性なのですが、デリケートゾーンの粉瘤は何科に受診するべきですか?
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粉瘤を根治させるには外科的措置ができる粉瘤専門の形成外科クリニックがおすすめです。当院でも女医が在籍していますので、ぜひご相談ください。
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デリケートゾーンの粉瘤を治療するにはどういった手術を行いますか?
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当院では、切開法・くり抜き法を用いて粉瘤を根治いたします。形成外科専門医の高度な切開・縫合技術で傷跡も綺麗に仕上げています。
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デリケートゾーンの粉瘤手術費用はいくらですか?
-
デリケートゾーンの手術費用は保険適用です。
自己負担3割の方であれば、おおよそ5,000~18,000円程度(粉瘤の大きさや処置内容により変動)となります。
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市販薬で治りますか?
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治りません。一時的に症状が落ち着いたように見えても、袋が残っている限り再発します。根本治療には手術が必要です。
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粉瘤がデリケートゾーンにあるのが恥ずかしいです。これって私だけですか?
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いいえ、女性の受診者は非常に多く、恥ずかしいことではありません。当院ではプライバシーにも最大限配慮していますので安心してご相談ください。
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粉瘤を取らないとどうなりますか?
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放置すると炎症・感染・化膿・皮膚の変形や色素沈着のリスクがあります。悪化する前に切除するのがベストです。
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妊娠中でも治療できますか?
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状態によりますが、局所麻酔による日帰り手術が可能な場合もあります。妊娠週数や症状を踏まえて、医師が安全に配慮して判断いたします。
まとめ
デリケートゾーンにできる粉瘤は、痛みや違和感だけでなく、恥ずかしさや不安といった精神的なストレスも伴うため、女性にとって非常にデリケートな問題です。しかし、適切な診断と治療を受ければ、再発を防ぎながらきれいに治すことが可能です。
- こんな場所にできものが…
- 誰にも相談しにくい…
と一人で悩まず、まずは粉瘤治療に詳しい専門クリニックへ相談することが、早期解決への第一歩です。
当院では、形成外科専門医による診察・手術・アフターケアまでをすべて一貫して対応しており、プライバシーにも十分配慮した環境を整えています。
さらに、日帰り手術・保険適用・明確な費用説明など、患者様が安心して治療を受けられる体制を整えております。
「これって粉瘤かも?」と感じたときが受診のタイミングです。小さな違和感のうちに、どうぞお気軽にご相談ください。