古林形成外科-札幌院

医療コラム

陰部(デリケートゾーン)に粉瘤ができる原因と特に女性に多い理由

陰部(デリケートゾーン)は粉瘤ができやすい部位。陰部は皮膚が薄く、下着などによる物理的刺激が多い、皮脂分泌の多いなどが原因となり、気づかないうちに粉瘤が形成され進行しやすいのも特徴です。ニキビやただのしこりと見分けがつきにくいため、放置して悪化させてしまう方も少なくありません。

この記事では、「なぜデリケートゾーンに粉瘤ができやすいのか」をはじめ、症状・治療法・費用・予防策・よくある質問まで、専門クリニックの視点から詳しく解説します。

陰部(デリケートゾーン)に粉瘤ができる原因。特に女性が多いです

デリケートゾーン付近にできた、粉瘤画像

摩擦が多い

デリケートゾーンは、日常生活の中で繰り返し摩擦が加わる部位です。たとえば、下着やナプキンによる接触、歩行時の擦れ、トイレ後の拭き取り、座位での圧迫など、肌に刺激がかかる機会が非常に多く、常に物理的な負担がかかっています。

特に締め付けの強い下着や通気性の悪い素材は、摩擦に加えて蒸れも引き起こしやすく、皮膚のバリア機能を弱める原因になります。肌が刺激を受け続けると、毛穴周囲の皮膚が炎症を起こしやすくなり、毛穴の閉塞や皮脂の滞留が起こることで、皮膚の下に老廃物がたまり、粉瘤の形成につながります。

また、生理中はナプキンの使用頻度が増えるため、摩擦や蒸れがさらに強くなり、粉瘤ができやすい状態が重なりやすい時期でもあります。

このように、慢性的かつ軽度な刺激の積み重ねが、粉瘤の引き金となるケースは決して少なくありません。

皮膚が薄い

デリケートゾーンは、体の中でも特に皮膚が薄く敏感な部位です。皮膚の構造として、角質層が非常に薄く、外部刺激に対するバリア機能が弱いため、ちょっとした摩擦や圧迫でもダメージを受けやすいのが特徴です。

たとえば、下着の締め付けや、ナプキン・ライナーによる接触、脱毛後の肌の摩擦など、日常生活の中で繰り返し刺激が加わることが多く、それが慢性的な炎症につながりやすい環境にあります。

炎症が起きると、毛穴の周囲が腫れやすくなり、皮膚の下に老廃物が閉じ込められるような状態になってしまいます。これが袋状の嚢腫を形成し、粉瘤へと進行する原因となるのです。

皮膚が薄いという構造的な特徴そのものが、粉瘤のリスクを高めてしまう要因であることを理解しておくことが大切です。

分泌物が多い

デリケートゾーンは、汗腺や皮脂腺が非常に多く分布しており、常に湿度が高くなりやすい環境にあります。特に、アポクリン汗腺という皮脂腺と同じ場所で開口するタイプの汗腺が集中しており、そこから分泌される皮脂や汗、老廃物は、角質(垢)と混ざることで、毛穴に詰まりやすい状態になります。

さらに下着やナプキンの使用は通気性を低下させ、分泌物が肌表面に滞留しやすく、清潔が保ちにくくなるため、皮膚の下に老廃物がたまりやすい環境が整ってしまいます。

このような状態が続くと、毛穴の奥に袋状の構造ができて老廃物が蓄積し、結果として粉瘤(アテローム)として皮膚に現れることになります。

陰部(デリケートゾーン)にできた粉瘤の症状

硬いしこり・黒い点があれば要注意

デリケートゾーン付近にできた、しこりのある粉瘤画像

デリケートゾーンにできる粉瘤は、皮膚の下にできる“硬いしこり”として自覚されることが多いのが特徴です。触れるとコリコリとした感触があり、しっかりと内部に何かが詰まっているような感触があります。

特に注意すべきなのは、しこりの中央に小さな黒い点(開口部)が見える場合です。これは、皮膚の表面とつながった開口部で、粉瘤特有の構造です。この穴から内容物(皮脂や角質のかたまり)が出てくることもあり、特有のにおいがすることもあります。

ニキビや脂肪の塊と誤解されやすいものの、粉瘤は皮膚の奥に袋状の構造(嚢胞)が形成されている点が大きな違いです。そのため、一時的に小さくなっても、袋が残っていれば再発します。

こうした「しこり+黒い点」の組み合わせが見られる場合は、粉瘤の可能性が高いため、放置せずに早めの受診をおすすめします。

痛み・腫れ・炎症

デリケートゾーンに出来た炎症性粉瘤の画像

粉瘤は、炎症や感染を起こすことで急激に悪化することがあります。

通常粉瘤は無痛のしこりとして存在していますが、細菌が入り込んで感染を起こすと、赤く腫れ上がり、強い痛みや熱感、発熱、膿の排出などの症状が現れるようになります。

特にデリケートゾーンでは、炎症がさらに刺激されやすく、日常生活に大きな支障をきたすこともあります。

痛みが強くなると、歩行やトイレのたびに苦痛を感じたり、寝返りもつらくなるケースもあります。

また、炎症を繰り返すことで周囲の皮膚が硬くなったり、色素沈着や変形が残ったりする可能性もあるため、「少し痛いだけだから」と放置せず、早めに医療機関を受診することが大切です。

痛み・腫れ・膿が出る=粉瘤が悪化しているサインと考え、専門医の診察を受けましょう。

かゆみ

粉瘤の初期段階では、はっきりとした痛みではなく「なんとなくかゆい」といった軽い違和感から始まることがあります。

特にデリケートゾーンは摩擦や蒸れが起こりやすいため、かゆみの原因が一時的な肌荒れやムレによるものだと勘違いしやすいのが注意点です。

しかし、皮膚の下で嚢胞(袋)が形成され始めていると、皮膚の内部がゆっくりと圧迫され、炎症の前兆としてかゆみを感じることがあるのです。

また、下着やナプキンの繰り返しの摩擦によって、粉瘤が刺激されてかゆみが悪化するケースもあります。

強く掻いたり、こすったりしてしまうと、その刺激で炎症を引き起こし、粉瘤が急に腫れたり、痛みに変わることもあるため、軽いかゆみでも侮らず、様子をよく観察することが大切です。

圧迫すると内容物が出てくる

デリケートゾーンに出来た膿んでいる粉瘤画像

粉瘤は皮膚の下に袋状の構造(嚢胞)ができ、その中に皮脂や老廃物がたまることで形成されます。

そのため、指で押したり摩擦が加わったりすると、袋の中の内容物が皮膚の開口部から排出されることがあり、白くてドロッとした、独特の臭いを伴う物質が出てくることがあります。

一見、「膿が出たから治った」と感じてしまう方もいますが、これはあくまで袋の中身が一時的に出ただけで、根本的な解決にはなっていません。

皮膚の下にある袋自体が残っていれば、再び中に老廃物がたまり、何度でも再発してしまいます。

また、内容物を無理に押し出すことで炎症や感染を引き起こすリスクが高まり、痛みや腫れが急速に悪化することもあるため、自分で潰したり押し出す行為は絶対に避けましょう。

内容物が出てきた時点で、すでに粉瘤が進行している証拠ともいえるため、早めに専門医を受診し、適切な処置を受けることが大切です。

デリートゾーンの粉瘤の治し方は手術一択!潰すのはNG。放置しても自然治癒はありません

粉瘤は、皮膚の内部にできた袋(嚢胞)に老廃物がたまることで形成される良性腫瘍であり、自然に消えることはありません。

特にデリケートゾーンは、蒸れや摩擦によって炎症を起こしやすく、放置していると痛み・腫れ・化膿を引き起こすリスクが高まります。

「しこりを潰して中身を出したら治った」と思ってしまう方もいますが、それはあくまで一時的に袋の中身が出ただけで、根本的な治療にはなっていません。袋が残っていれば、再発は避けられませんし、無理に潰すことで細菌感染を起こし、さらに悪化させてしまうこともあります。

粉瘤を根本から治すには、皮膚の下にある袋ごと取り除く外科的な手術が唯一の治療法です。

当院では、粉瘤の大きさ・炎症の有無・できた部位などを見極め、以下の2つの方法から最適な手術法を選択しています。

切開法

袋全体を丁寧に取り除くスタンダードな方法で、再発リスクを最小限に抑えることができます。炎症が強い場合や粉瘤が大きい場合にも対応可能です。

当院の切開法の詳しい説明>>

くりぬき法

皮膚に小さな穴を開けて、そこから内容物と袋を摘出する方法です。傷跡が目立ちにくく、術後の回復も早いのが特徴です。粉瘤が小さい場合や目立たない仕上がりを希望される方に適しています。

当院のくり抜き法の詳しい説明>>

陰部(デリートゾーン)の粉瘤は何科受診すべき?形成外科専門医がいる粉瘤専門クリニックがおすすめです

「デリケートな場所にしこりができたけれど、どこを受診すればいいかわからない…」

そんな不安を抱える方は少なくありません。特に陰部(デリケートゾーン)の場合は、恥ずかしさや迷いから受診が遅れがちです。

粉瘤は皮膚の下にできる良性の腫瘍であり、皮膚科での診察も可能ですが、根本的に治すためには袋ごと取り除く外科的な処置が必要となります。そのため、「診断だけでなく、きちんと治したい」という場合は、手術が可能な医療機関を選ぶことが重要です。

中でもおすすめなのが、形成外科専門医が在籍している“粉瘤に特化したクリニック”です。

形成外科では、皮膚・皮下組織の構造や見た目に関する知識・技術に優れており、機能面だけでなく仕上がりの美しさにも配慮した手術が受けられます。特に陰部のように繊細な部位では、縫合の丁寧さや傷跡の目立たなさが重要なポイントとなるため、形成外科の対応が望ましいといえます。

また、粉瘤専門クリニックの多くは、局所麻酔での日帰り手術が可能で、予約制によるスムーズな対応やプライバシー配慮が徹底されているのも安心材料です。

正確な判断と切開・縫合の綺麗さ

粉瘤は、見た目がニキビや脂肪腫、しこりのような皮膚トラブルと似ているため、自己判断が難しく、医療機関でも誤診されることがある疾患です。特にデリケートゾーンでは、湿度や摩擦などの影響で炎症や腫れが起こっていると、状態の見極めがより複雑になります。

そのため、症状を正確に診断し、適切な治療方針を立てられる医師の判断力と経験が重要です。

また、粉瘤の治療では単に切除するだけでなく、どこをどのように切開し、どのように縫合するかによって、術後の仕上がりや再発リスク、傷跡の目立ち方が大きく変わります。

形成外科専門医は、皮膚や皮下組織の構造に精通し、機能的にも見た目にも配慮した縫合技術を持っているため、特に傷跡を残したくない部位や目立たせたくない方にとっては大きな安心材料となります。

丁寧で確実な治療と、美しく自然な仕上がりの両立を求めるなら、形成外科専門医による対応がベストです。

日帰り手術が可能なので、時間的な負担も軽減

粉瘤の治療は「手術が必要」と聞くと、入院や長いダウンタイムをイメージして不安になる方も多いですが、実際の粉瘤治療は局所麻酔による日帰り手術が主流です。特に当院のような粉瘤専門クリニックでは、初診から手術、アフターケアまでをすべて一貫して行っており、最短で当日中に治療を完了することも可能です。

事前にしっかりとカウンセリングを行い、粉瘤の状態やご本人の希望に応じて最適な方法をご提案しますので、「仕事や家事でなかなか時間が取れない」という方でも、無理なく通院・治療を受けていただけます。

また、デリケートゾーンの粉瘤は放置すると痛みや腫れがひどくなり、日常生活に支障をきたすこともあるため、短時間で終えられる日帰り手術は、早期解決につながる選択肢として非常に有効です。

「できるだけ早く治したい」「何度も通院するのは難しい」

そんな方こそ、手軽さと専門性を兼ね備えた日帰り手術対応クリニックの利用がおすすめです。

健康保険適用で経済的

粉瘤の手術というと「高額な費用がかかるのでは?」と不安に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ご安心ください。粉瘤は健康保険が適用される医療行為であり、自由診療ではなく保険診療で受けられるため、費用負担を抑えて治療することが可能です。

当院では、診察・検査・手術・術後の処置まですべて健康保険の対象内で対応しています。

※別途、初診料や薬代、必要に応じて検査費用が加算される場合があります。

当院のデリケートゾーン粉瘤の日帰り手術の費用について

費用は、粉瘤の大きさやできた場所、炎症の有無、手術方法(切開法・くりぬき法)によって異なりますが、健康保険3割負担の方であれば、おおよそ数千円~1万円台後半が目安となります。

初診時にしっかりと状態を診察した上で、事前に明確な費用をご説明しますので、「いくらかかるかわからない」という不安を感じることはありません。

また、診察や手術にかかる時間もコンパクトで、日帰りで完結するため交通費や時間的コストも抑えられ、全体として負担の少ない医療体験を提供しています。

当院の粉瘤手術にかかる費用のすべて>>

陰部(デリケートゾーン)に粉瘤をできにくくする予防法

粉瘤は体質や皮脂分泌の影響を受けやすいとはいえ、日常生活の中でのちょっとした工夫によって、発生や再発のリスクを減らすことが可能です。特にデリケートゾーンは、摩擦・蒸れ・分泌物が多いという環境的な要因が重なりやすいため、以下のようなポイントを意識して予防に努めましょう。

通気性のよい下着を選ぶ

 締めつけが強すぎる下着や化学繊維のものは、蒸れや摩擦の原因になります。綿素材など肌に優しく通気性の良い素材を選ぶことが理想です。

長時間の蒸れを避ける

 生理中や運動後など、湿気がこもりやすいタイミングでは、こまめに下着やナプキンを交換し、皮膚を長時間湿った状態にしないことが大切です。

清潔を保ちつつも洗いすぎない

 デリケートゾーンは皮脂や常在菌のバランスも重要です。洗いすぎると逆にバリア機能を壊し、炎症や乾燥によって粉瘤ができやすくなることも。専用の低刺激ソープを使用し、優しく洗いましょう。

肌に合わないナプキン・下着は避ける

 かゆみやかぶれを感じたことがある製品は、粉瘤やその他の皮膚トラブルの引き金になる可能性があります。素材や使用感に違和感を感じたら、無理に使い続けないことが大切です。

摩擦や締めつけの少ない衣類を選ぶ

 スキニージーンズやタイトなガードルなど、圧迫の強い衣類は皮膚へのストレスが大きくなります。長時間の着用は控え、身体に優しい服装を心がけましょう。

こうした生活習慣の見直しを行うことで、デリケートゾーンに粉瘤ができにくい環境を整えるとともに、再発予防にもつながります。

陰部(デリートゾーン)粉瘤に寄せられる質問

市販薬で治りますか?

治りません。一時的に症状が落ち着いたように見えても、袋が残っている限り再発します。根本治療には手術が必要です。

粉瘤がデリケートゾーンにあるのが恥ずかしいです。これって私だけですか?

いいえ、女性の受診者は非常に多く、恥ずかしいことではありません。当院ではプライバシーにも最大限配慮していますので安心してご相談ください。

粉瘤を取らないとどうなりますか?

放置すると炎症・感染・化膿・皮膚の変形や色素沈着のリスクがあります。悪化する前に切除するのがベストです。

妊娠中でも治療できますか?

状態によりますが、局所麻酔による日帰り手術が可能な場合もあります。妊娠週数や症状を踏まえて、医師が安全に配慮して判断いたします。

まとめ

デリケートゾーンにできる粉瘤は、痛みや違和感だけでなく、恥ずかしさや不安といった精神的なストレスも伴うため、女性にとって非常にデリケートな問題です。しかし、適切な診断と治療を受ければ、再発を防ぎながらきれいに治すことが可能です。

「こんな場所にできものが…」「誰にも相談しにくい…」と一人で悩まず、まずは粉瘤治療に詳しい専門クリニックへ相談することが、早期解決への第一歩です。

当院では、形成外科専門医による診察・手術・アフターケアまでをすべて一貫して対応しており、プライバシーにも十分配慮した環境を整えています。

さらに、日帰り手術・保険適用・明確な費用説明など、患者様が安心して治療を受けられる体制を整えております。

「これって粉瘤かも?」と感じたときが受診のタイミングです。小さな違和感のうちに、どうぞお気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

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北海道皮膚のできものと粉瘤クリニック古林形成外科 札幌院

北海道皮膚のできものと粉瘤クリニック古林形成外科 札幌院では、皮膚疾患を専門とする日本形成外科学会認定の形成外科専門医が診療を担当しています。当院では、粉瘤、脂肪腫、眼瞼下垂、耳垂裂などの疾患に対応した日帰り手術をはじめ、形成外科全般の診療を行っています。

北海道皮膚のできものと粉瘤クリニック古林形成外科 札幌院では、皮膚疾患を専門とする日本形成外科学会認定の形成外科専門医が診療を担当しています。当院では、粉瘤、脂肪腫、眼瞼下垂、耳垂裂などの疾患に対応した日帰り手術をはじめ、形成外科全般の診療を行っています。

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