ぶつけていないのに後頭部に“こぶ”ができた?考えられる病気と受診すべき診療科を解説
「後頭部にこぶのようなふくらみがある」「ぶつけた覚えがないのに腫れている」「痛みがあるけど原因が分からない」——そんな症状に不安を感じていませんか?
実は、後頭部のこぶの多くは外傷ではなく、皮膚や皮下の腫瘍(粉瘤・脂肪腫など)によるものです。中には、リンパ節の腫れや皮膚がんなどの病気が隠れていることもあります。
この記事では、
- ぶつけていないのに後頭部にこぶができる原因
- 考えられる病気と特徴
- 受診すべき診療科
- 放置のリスクとよくある質問
をわかりやすく解説します。
「このこぶ、放っておいても大丈夫?」「痛みがないけど心配」という方は、この記事で早めに受診すべきサインを確認しましょう。
後頭部にぶつけていないのにこぶができた。考えられる病気

粉瘤(アテローム)
皮膚の下に袋ができ、その中に皮脂や角質が溜まる良性腫瘍です。頭皮は皮脂腺が多いため粉瘤ができやすく、初期は小さなこぶのようなふくらみとして現れます。
押すとコリコリと動き、中央に黒い点(開口部)が見えることも特徴です。炎症を起こすと赤く腫れ上がり、ズキズキとした痛みや膿を伴うこともあります。自然には治らず、袋ごと摘出する手術が必要です。
脂肪腫
脂肪細胞が増えてできる柔らかいこぶで、触ると皮膚の下でスルスルと動くのが特徴です。痛みはほとんどありませんが、サイズが大きくなると神経や筋肉を圧迫して違和感を覚えることがあります。
悪性化することはまれですが、急に大きくなったり硬くなる場合は早めの受診が必要です。
リンパ腫
頭の後ろやうなじにはリンパ節が多く、炎症や感染によって腫れることがあります。風邪や中耳炎などに伴う一時的な腫れであれば自然に治まりますが、硬く・大きく・長期間残る場合はリンパ腫(悪性リンパ腫)の可能性も否定できません。早期の診断が重要です。
皮膚がん(基底細胞癌・悪性黒色腫など)
まれに、こぶ状の皮膚がんが頭皮にできることもあります。出血しやすい、かさぶたが取れても再び盛り上がる、色が不均一などの症状が見られる場合は注意が必要です。
見た目では粉瘤や脂肪腫と区別がつかないこともあるため、形成外科や皮膚科での診断(ダーモスコピー・生検)が大切です。
後頭部にこぶができたら何科に行けばいい?

脳神経外科(頭痛・しびれなど神経症状を伴う場合)
もし、こぶと同時に頭痛・吐き気・しびれ・視覚異常がある場合は、頭蓋内疾患の可能性を除外するために脳神経外科を受診しましょう。画像検査(CT・MRI)で頭の内部を調べることができます。
皮膚科(炎症や赤みがある場合)
こぶが赤く腫れて痛い、膿が出ているなどの症状がある場合は、まず皮膚科を受診しましょう。抗生剤や塗り薬で炎症を抑える治療を行い、落ち着いてから根本治療(手術)へ進むのが一般的です。
形成外科(しこり・腫瘍性のこぶの場合)
ぶつけてもいないのにできた、痛みのないしこりやこぶは、粉瘤・脂肪腫など腫瘍性の病変であることが多く、形成外科での診断・手術が最適です。局所麻酔で日帰り手術が可能で、袋や腫瘍を取り残さず切除することで再発を防止します。
また、頭皮の毛流れに沿った切開を行うため、傷跡が目立ちにくい仕上がりになります。
後頭部にぶつけてないのにできるこぶに関するQ&A

後頭部にぶつけていないのにこぶができました。なぜできてしまうのでしょうか?
多くの場合、皮膚の中で皮脂や角質が溜まって袋状に膨らむ「粉瘤」や、脂肪細胞の増殖による「脂肪腫」が原因です。外傷や打撲による腫れではなく、体の内部で自然に形成される腫瘍です。放置すると大きくなったり炎症を起こすことがあります。
ぶつけていないのに後頭部にこぶのようなふくらみができて少し痛いです。放置しても大丈夫でしょうか?
軽度の痛みでも放置はおすすめできません。粉瘤が炎症を起こしている初期の可能性があり、自然には治りません。炎症が進むと膿がたまり、強い痛みや発熱を伴うこともあります。早めに形成外科または皮膚科を受診し、原因を特定することが大切です。
後頭部にこぶができたのですが痛みはありません。皮膚科に行っても様子見で終わりました。痛みがない腫瘍でも、今後痛み出したりする可能性はあるのでしょうか?
はい、あります。粉瘤や脂肪腫は、放置すると中に老廃物が溜まり、炎症を起こすことで痛みを伴うようになります。特に粉瘤は感染しやすく、再発や破裂のリスクもあります。痛みがなくても、早めに形成外科で切除を検討しましょう。
まとめ
- 後頭部にぶつけていないのにこぶができる場合、粉瘤・脂肪腫・リンパ腫などが主な原因
- 痛みや大きさ、形の変化がある場合は放置せず、医療機関での診察を
- 炎症がある場合は皮膚科、腫瘍性のしこりは形成外科が最適
- 痛みがなくても自然に治ることは少なく、早期治療が再発・悪化の予防につながる

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