ケロイドの治療は古林形成外科札幌院|形成外科専門医による治療

ケロイド

ケロイドとは

ケロイドは、傷の治癒過程で炎症が過剰に続き、線維組織が異常に増殖することで発生する皮膚の病変です。見た目の変化だけでなく、発症部位には次のような症状が現れます。

  • 赤みや腫れ
  • 痛み
  • かゆみ
  • 引きつれ感

前胸部、肩周り、上腕などが好発部位とされ、手掌や足底、顔面での発生は比較的まれです。ケロイドは放置しても自然に治癒することは期待できず、元の傷の範囲を超えて拡大し続けるという特徴があります。

「ケロイド体質」という言葉があるように、ケロイドの発症には個人差があり、遺伝的要因も関与しています。症状の程度も人それぞれで、軽度の場合はわずかな腫れにとどまることもあれば、重症の場合は大きく隆起することもあります。

ケロイドの原因はさまざまで、手術や外傷、BCG接種痕、ピアスなどが代表的です。また、ニキビや虫刺されなどの軽微な傷でも発症することがあります。

ケロイドの治療

ケロイドの治療法は、体質や年齢、発症部位・範囲などによって異なります。治療法を選択する際には、手術を行うべきか、あるいは保存的な治療を行うべきかを慎重に判断することが重要です。

次のような場合には、保存療法ではなく手術が選択されることが多くなります。

  • ひきつれ(拘縮)が強い場合
  • 毛の埋入や粉瘤などの感染源がある場合
  • 有茎性である場合
  • 耳たぶのピアス部分にケロイドがある場合
  • へそにケロイドがある場合

これらの特殊なケース以外では、手術を行うことで悪化や再発のリスクが高まるため、基本的には保存療法が推奨されます。

保存的治療

ケロイドに対する保存的治療には、いくつかの選択肢があります。まず、炎症や発赤を改善するために、ステロイドを含有した軟膏やテープ剤が使用されます。より直接的なアプローチとして、ケロイド内にステロイドを注射する治療法も行われます。

その他、シリコンゲルシートを使用して圧迫を加え、血流を抑制することで組織の過剰成長を防ぐ方法も有効です。また、病態によっては、内服薬が効果を発揮することもあります。

これらの治療法は、通常、単独ではなく複数を組み合わせて適用されることが多いです。

【ケロイドの主な保存的治療】

・外用療法
・局所注射療法
・圧迫療法
・内服療法
・レーザー治療 など

外科的治療

ケロイド手術では、再発リスクを最小限に抑えるために、特殊な縫合技術を用います。さらに、術後に放射線治療を行うことで、ケロイドの再発を予防することが期待できます。

ただし、手術後の傷跡が完全に消えるわけではないため、患者様には事前に治療効果とその限界について十分に説明を行います。

ケロイド手術での縫合

ケロイドの再発を防ぐためには、摘出後の適切な縫合が非常に重要です。

ケロイドが発生する真皮層に過度な負担をかけないよう、より深い筋膜などを丁寧に縫合します。これにより、傷の内側が自然に接着し、表層および真皮の縫合を最小限に抑えることが可能です。

手術後は、テーピングで創部を固定し、抗アレルギー薬を服用することで再発を予防します。また、再発リスクが高い患者様には、連携病院で放射線治療を受けることを推奨しています。

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