古林形成外科-札幌院

医療コラム

脂肪腫が自然に消えた?本当に消えるのか、受診すべき理由と治療法を解説

「首や背中にあった脂肪腫が小さくなった気がする」

自然に消えたのかも?

と感じる方は少なくありません。

しかし、脂肪腫は良性腫瘍であり、自然に消えることはなく、一時的に小さく見えるだけのケースがほとんどです。

この記事では、脂肪腫が自然に消えたように見える理由、病院に行くべき理由、受診する診療科、治療法、さらに患者さんからよくある質問について解説します。

「手術が怖い」「本当に消えることはないの?」と迷っている方はぜひ参考にしてください。

脂肪腫が自然に消えたと思っても病院受診したほうがいい理由

一時的に小さくなっているだけの可能性

脂肪腫は脂肪細胞が増殖してできる良性腫瘍で、自然に消えることはありません。

「消えたように見える」と感じるのは、体重変化や腫瘍内の圧力変化で一時的に小さくなっただけの場合が多いです。特に首や背中など脂肪の厚い部位では、しこりが埋もれて触れにくくなり「なくなった」と錯覚するケースがあります。

放置すると再び大きくなり、手術負担が増す

脂肪腫は時間とともに少しずつ大きくなります。数cmの段階で切除すれば小さな切開で済みますが、放置して5〜10cmを超えると手術時間が長くなり、傷跡も大きくなるため、美容面・回復面の負担が増します。

脂肪腫は何科に行くべきか

形成外科での手術のメリット

  • 腫瘍を被膜ごと取り除き、再発を防げる
  • 顔や首など目立つ部位でもシワや皮膚のラインに沿った切開で傷跡を目立ちにくくできる
  • 切除組織を病理検査に回し、悪性腫瘍(脂肪肉腫など)の可能性を正しく除外できる

皮膚科や整形外科で対応できる場合

小さな脂肪腫であれば皮膚科で診断・切除できることもあります。筋肉や神経に近い深部の脂肪腫では整形外科が対応するケースもありますが、表在性の脂肪腫はキズアトにも配慮した形成外科が最も適しています。

脂肪腫の治療方法

切開法による切除

脂肪腫の治療法として唯一の方法で、これ以外に根治させる方法はありません。

局所麻酔を行い、皮膚を数cm切開して脂肪腫を被膜ごと取り出します。

脂肪腫が自然に消えた事に関するQ&A

脂肪腫が自然に消えることはないとのことですが、だんだんと小さくなってるものがあります。自然に消えた例は本当にないのでしょうか?

「完全に自然消失した」という医学的な報告はありません。小さく感じるのは、体重減少や脂肪組織の変化で相対的に目立たなくなっているだけで、腫瘍そのものが消えているわけではありません。

手術が不安で病院に行けません。どうしたらいいですか?

脂肪腫の切除は当院では局所麻酔で日帰り可能なケースが多く、手術時間は10〜30分程度です。術後は1週間ほどで抜糸となり、日常生活への影響も軽度です。「怖い」と思って放置する方が、結果的に手術負担を大きくしてしまうため、小さいうちに相談するのが安心です。

まとめ

  • 脂肪腫は自然に消えることはない
  • 一時的に小さくなっても再び大きくなるため、放置はリスク
  • 形成外科での切除なら再発予防と美容面の配慮が可能
  • 早期に受診することで、小さい切開・短い手術・目立たない傷跡というメリットを得られる

「消えたかも」と思っても、自己判断せず形成外科で相談することが、最も安全で安心できる選択です。

この記事を書いた人

著者画像
北海道皮膚のできものと粉瘤クリニック 札幌院 院長 荻野 航太

北海道皮膚のできものと粉瘤クリニック古林形成外科 札幌院では、皮膚疾患を専門とする日本形成外科学会認定の形成外科専門医が診療を担当しています。当院では、粉瘤、脂肪腫、耳垂裂などの疾患に対応した日帰り手術をはじめ、形成外科全般の診療を行っています。

北海道皮膚のできものと粉瘤クリニック古林形成外科 札幌院では、皮膚疾患を専門とする日本形成外科学会認定の形成外科専門医が診療を担当しています。当院では、粉瘤、脂肪腫、耳垂裂などの疾患に対応した日帰り手術をはじめ、形成外科全般の診療を行っています。

医療コラム一覧へ戻る
WEB予約
電話アイコン 電話予約
カレンダーアイコン WEB予約
トップぺ戻る