耳の入り口に押すと痛いできものができたら?原因と治療法・受診すべき診療科を解説
イヤホンやマスクの着脱時にズキッと痛みを感じ、「ニキビ?」「粉瘤?」「耳の病気?」と不安になる方は少なくありません。
耳の入り口は、皮膚・軟骨・外耳道が接するデリケートな部位で、炎症を起こしやすく、放置すると痛みが悪化しやすいのが特徴です。
原因によっては、薬で治るものもあれば、手術による治療が必要なものもあります。
この記事では、
- 耳の入り口に押すと痛いできものの原因
- 粉瘤だった場合の治療方法
- 何科を受診すべきか
- よくある疑問への回答
を、形成外科の視点も交えながら分かりやすく解説します。
耳の入り口にできる「押すと痛い」できもの
耳の入り口は、皮膚が薄く、皮脂腺や毛穴が多い一方で、イヤホン・マスク・髪の毛などによる物理的刺激を受けやすい部位です。
そのため、炎症を起こすと小さなできものでも強い痛みを感じやすくなります。
ここでは、耳の入り口にできる代表的な疾患を解説します。
粉瘤
耳の入り口にできる“押すと痛いしこり”で最も多い原因のひとつが粉瘤(アテローム)です。
特徴
- 皮膚の下にしこりとして触れる
- 中央に黒い点が見えることがある
- 炎症を起こすと赤く腫れて強く痛む
- イヤホンやマスクが当たると激痛
耳周囲は皮脂腺が多く、刺激を受けやすい部位であることや構造が複雑なことなどから、一度炎症を起こすと悪化しやすく長期間しやすい部位でもあります。
外耳道炎
外耳道炎は、耳の穴の皮膚に細菌感染や炎症が起きる病気です。
特徴
- 耳の穴の中が痛い
- 押すとズキッとする
- かゆみや耳だれを伴うことがある
- イヤホン使用で悪化
外耳道炎はしこりというより「腫れ・炎症」が主体ですが、
炎症が強いとできもののように触れることがあります。
ケロイド
耳にピアス歴がある方や、傷ができやすい体質の方ではケロイドの可能性もあります。
特徴
- 硬めで弾力のあるしこり
- 徐々に大きくなる
- 押すと痛む、かゆい
- 赤みを帯びることがある
粉瘤と異なり、袋や内容物はなく、瘢痕組織が増殖したものです。
ニキビ
耳の入り口にも皮脂腺があるため、ニキビができることもあります。
特徴
- 表面が赤い
- 中心に白い膿が見える
- 数日~1週間で変化する
ニキビの場合は自然に改善することもありますが、
耳は触りやすいため潰して悪化させるケースが多い点に注意が必要です。
耳漏孔
耳の入り口付近に、生まれつき穴が開いている先天性疾患です。皮下に管状の構造があるため、皮脂や分泌物がたまると感染を起こししこりの様になることがあります。
特徴
- 耳の周囲に穴がある
- 穴周囲を押すと皮脂が出たり臭い液が出たりする
- 感染を起こすとしこりの様になり痛みを伴う
耳漏孔は一度でも感染を起こした既往があると再感染を起こす確率が高いため、手術による摘出を勧めます。成人であれば局所麻酔での外来手術も可能で負担が少なく治療できます。
耳の入り口にできた粉瘤の治療方法
耳の入り口にできた粉瘤は、炎症の有無によって治療方法が変わります。
炎症がない場合
- 根治手術ができる
- 局所麻酔で治療可能
- 袋ごと摘出(切除またはくり抜き法)
耳は目立つ部位のため、形成外科ではできるだけ傷跡を小さくする方法が選択されます。
炎症がある場合
- 抗生物質内服で様子見
- または必要に応じて切開排膿
- 炎症が落ち着いてから根治手術
炎症が強い状態で無理に摘出すると、
- 痛みが強い
- 傷跡が目立つ
- 再発リスクが高い
ため、段階的な治療が重要です。
耳の入り口に粉瘤ができたら何科に行くべきか
耳の入り口という部位の特性上、診療科選びはとても重要です。
皮膚科
- 炎症の初期
- 抗生物質や外用薬による治療
- 切開排膿
ただし、袋ごとの摘出手術は対応できない皮膚科も多いのが実情です。
耳鼻科
- 外耳道炎
- 耳の中の感染症
耳鼻科では耳の中の診察には非常に強い一方で、
粉瘤の根治手術は行わないケースがほとんどです。
形成外科
- 粉瘤の根治手術
- 傷跡を考慮した治療
- 再発予防
耳の入り口にできた粉瘤を確実に治したい場合は形成外科が最適です。粉瘤以外にもどんなできものでも対応可能です。
耳の入り口のQ&A
耳の入り口にできものができました。放置しても問題ないでしょうか?イヤホン使用時に痛くて困っています。
痛みがある時点で、放置はおすすめできません。
耳の入り口は刺激を受け続けるため、
- 炎症が長引く
- 膿がたまる
- 破裂する
可能性が高くなります。
特にイヤホンで痛みが出る場合、刺激で悪化する可能性もあるため早めの受診で悪化を防げます。
耳鼻科に行けば粉瘤の切除をしてもらえますか?科によってできない治療はありますか?
多くの耳鼻科では、
- 診断
- 抗生物質処方
- 外耳道炎の治療
は行えますが、粉瘤の袋ごとの摘出手術は行わないことがほとんどです。
そのため、
「耳鼻科 → 粉瘤と診断 → 形成外科へ紹介」
という流れになるケースが多いです。
まとめ
- 耳の入り口に押すと痛いできものは、粉瘤・外耳道炎・ケロイド・ニキビ、耳漏孔の感染など原因が多彩
- 粉瘤は炎症を起こすと痛みが強く、自然治癒しない
- 抗生物質や切開排膿は一時的対処で、根治には袋ごとの摘出が必要
- 耳鼻科は診断向き、根治目的なら形成外科が最適
- イヤホン使用時に痛みがある場合は早めの受診が重要

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