古林形成外科-札幌院

医療コラム

粉瘤手術後のガーゼ交換はいつまで?自宅での正しいやり方を解説

粉瘤(ふんりゅう)手術後のガーゼ交換は、傷の治りを早めるだけでなく、感染を防ぐうえでも非常に重要です。

一般的には、術後1日目から1週間程度を目安に、毎日交換を行う必要があります。

この記事では、形成外科の視点から「ガーゼ交換の頻度」「自分でのやり方」「注意点」について、わかりやすく丁寧に解説します。

ガーゼ交換はいつまで?期間と頻度の目安

術後のガーゼ交換は、次のような期間を目安に行います。

  • 術後1日目から毎日交換
  • 期間の目安:5〜7日間程度
  • 膿や浸出液が多い場合は、朝晩2回行うこともある

ただし、傷の状態や炎症の有無によって交換期間は異なります。自己判断せず、医師の指示に従うことが基本です。


自宅でできるガーゼ交換の正しいやり方

自分でガーゼ交換を行う際の基本的な手順は以下の通りです。

1. 手を洗ってからガーゼ交換

必ず石けんで手を洗い、ペーパータオルなどで水気をしっかり拭き取ります。清潔な環境を保てない場合、創部感染をしてしまう可能性があります。

2. 古いガーゼを優しく剥がす

無理に引っ張ると傷が開くおそれがあり、ぬるま湯などで濡らして、ふやかしてから剥がすと良いです。

3. 傷口をシャワーで軽く洗う

清潔な流水(ぬるま湯)でやさしく洗い流すだけで十分です。泡立てた石鹸の泡で優しく汚れを取っても構いませんが、ゴシゴシこすらないよう注意しましょう。

4. 軟膏を塗布する

処方された抗生物質入りの軟膏を、切開部に薄く塗ります。指よりも綿棒を使うとより清潔です。

5. 新しいガーゼを当て、固定する

新しいガーゼを当てて、その上から医療用テープや絆創膏で固定します。ガーゼがずれないようしっかり押さえることがポイントです。

この処置を1日1回、もしくは状態によっては2回程度繰り返します。早ければ1週間程度で傷はきれいに閉じていきます。


排膿処置を伴う場合にはなぜガーゼを詰めるのか?

炎症を伴う粉瘤の場合、「切開排膿処置」が行われることがあります。このとき、傷口にガーゼをあえて詰めるのですが、それには理由があります。

  • 膿や血液などの排液を吸収する
  • 内部に溜まった液体の“出口”が塞がらない様確保する
  • 傷口が閉じようとするのを防ぎ、膿が中に溜まらないようにする

この処置は一見「痛そう」「怖そう」に感じるかもしれませんが、感染予防と再発防止のために非常に重要な処置です。

詰めたガーゼは通常、翌日以降の診察で医師が交換または抜去しますので、自己判断で抜かないでください。

注意点|感染予防ときれいな治癒のために

  • ガーゼ交換中に出る少量の膿や滲出液は、正常な治癒過程の一部なので過度に心配しないでください。
  • ただし、悪臭・強い痛み・発熱・出血が続くといった症状があれば、すぐに医療機関へ相談しましょう。
  • 傷を清潔に保ち、通気性のよい服装を選ぶことも大切です。

まとめ

粉瘤手術後のガーゼ交換は、感染を防ぎ、きれいな傷あとに仕上げるための大切なセルフケアです。

適切な方法で、清潔を保ちながら継続することで、治りが早くなります。

しかし、状態によって処置の方法や回数は異なります。必ず医師の指示に従い、わからないことは自己判断せず、早めに相談するようにしましょう。

この記事を書いた人

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北海道皮膚のできものと粉瘤クリニック 札幌院 院長 荻野 航太

北海道皮膚のできものと粉瘤クリニック古林形成外科 札幌院では、皮膚疾患を専門とする日本形成外科学会認定の形成外科専門医が診療を担当しています。当院では、粉瘤、脂肪腫、耳垂裂などの疾患に対応した日帰り手術をはじめ、形成外科全般の診療を行っています。

北海道皮膚のできものと粉瘤クリニック古林形成外科 札幌院では、皮膚疾患を専門とする日本形成外科学会認定の形成外科専門医が診療を担当しています。当院では、粉瘤、脂肪腫、耳垂裂などの疾患に対応した日帰り手術をはじめ、形成外科全般の診療を行っています。

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