陰部(デリケートゾーン)の粉瘤の手術・治療方法を形成外科専門医が解説

デリケートゾーンの粉瘤を治すには手術しかありません。
しかし、場所が場所なだけに恥ずかしいと感じる方も多いです。
今回はデリケートゾーンの治療方法(切開法・くり抜き法)を解説していきます。
デリートゾーンの粉瘤の治し方は手術一択!放置しても自然治癒はありません

粉瘤は、皮膚の内部にできた袋(嚢胞)に老廃物がたまることで形成される良性腫瘍であり、自然に消えることはありません。
特にデリケートゾーンは、蒸れや摩擦によって炎症を起こしやすく、放置していると
- 痛み
- 腫れ
- 化膿
を引き起こすリスクが高まります。
「しこりを潰して中身を出したら治った」と思ってしまう方もいますが、それはあくまで一時的に袋の中身が出ただけで、根本的な治療にはなっていません。袋が残っていれば、再発は避けられませんし、無理に潰すことで細菌感染を起こし、さらに悪化させてしまうこともあります。
粉瘤を根本から治すには、皮膚の下にある袋ごと取り除く外科的な手術が唯一の治療法です。
当院では、粉瘤の、
- 大きさ
- 炎症の有無
- できた部位
などを見極め、以下の2つの方法から最適な手術法を選択しています。
切開法

袋全体を丁寧に取り除くスタンダードな方法で、再発リスクを最小限に抑えることができます。炎症が強い場合や粉瘤が大きい場合にも対応可能です。
手術の流れ

STEP1
切開箇所にペンでマーキングを行い、腫瘍まわりに局所麻酔を施します。

STEP2
メスで皮膚を慎重に切開します。

STEP3
粉瘤にたまっている老廃物をきれいに取り除きます。

STEP4
被膜を剥がし、そのまま粉瘤を摘出します。

STEP5
皮膚に余計なシワが生まれないように、切開部位を調整します。

STEP6
十分に止血した後、切開した部位を縫合します。
※傷あとをきれいにするため、形成外科的縫合が行われます。
くりぬき法

皮膚に小さな穴を開けて、そこから内容物と袋を摘出する方法です。
傷跡が目立ちにくく、術後の回復も早いのが特徴です。粉瘤が小さい場合や目立たない仕上がりを希望される方に適しています。
手術の流れ

STEP1
アプローチ部位にペンでマーキングを行い、腫瘍まわりに局所麻酔を施します。

STEP2
トレパンやメスを使用し、粉瘤がある皮膚に小さな穴を開けます。

STEP3
被膜にたまっている老廃物を絞り出します。

STEP4
被膜を摘出します。

STEP5
止血後、切開した傷口を縫合します。
※傷あとをきれいにするため、形成外科的縫合が行われます。
当院のデリケートゾーン粉瘤の日帰り手術の費用について

費用は、粉瘤の大きさやできた場所、炎症の有無、手術方法(切開法・くりぬき法)によって異なりますが、健康保険3割負担の方であれば、おおよそ数千円~1万円台後半が目安となります。
初診時にしっかりと状態を診察した上で、事前に明確な費用をご説明しますので、「いくらかかるかわからない」という不安を感じることはありません。
また、診察や手術にかかる時間もコンパクトで、日帰りで完結するため交通費や時間的コストも抑えられ、全体として負担の少ない医療体験を提供しています。
まとめ
今回はデリケートゾーンにできた粉瘤の治療方法について解説してきました。
デリケートゾーンは粉瘤が発生しやすい部位な為、日頃のケアが重要。万が一できてしまったら早期の治療が必要です。
当院は粉瘤専門の形成外科クリニックですので、日頃からデリケートゾーンにできた粉瘤治療を行なっています。女医も在籍していますので、お気軽にご相談ください。