古林形成外科-札幌院

医療コラム

粉瘤とは?形成外科専門医が解説

粉瘤は別名「アテローム」と呼ばれ、通常外に排出されるはずの垢や皮脂が体内に袋状の構造物(嚢腫)が溜まり、徐々に大きくなっていく良性の皮下腫瘍です。

自然に治ることは無く、中身を一時的に排出しても再発し、手術で切除しないと根治できません。

今回の記事で粉瘤について形成外科専門医が簡単に解説いたします。

粉瘤とは

粉瘤(アテローム)は、見た目がニキビや脂肪腫、しこりのような他の皮膚疾患と似ているため、自己判断が難しい皮膚トラブルのひとつです。しかし、以下のような特徴が見られる場合には、粉瘤の可能性が高いと考えられます。

  • 中心に黒い点(開口部)がある
  • 押すと中から臭い膿のような内容物が出る
  • 痛みはないが、徐々に大きくなる
  • 押すと皮膚の下でコリコリと動く感触がある

順に解説していきます。

中心に黒い点(開口部)がある

粉瘤は皮膚の表面とつながっている開口部を持っていることが多く、黒い点として確認できることがあります。

これは皮脂が酸化することで黒く見えます。しかし、全ての粉瘤で黒い点が見えるわけではないので注意が必要です。

また、症状やできた場所によっては黒い点が見つからないことがあります。

押すと中から臭い膿のような内容物が出る

独特のにおいがある白~黄褐色のドロッとした物質が出てくる場合は、粉瘤の可能性が高いです。

  • チーズが腐った様な匂い
  • 魚、肉が腐った様な匂い
  • 長靴を履き続けた様な匂い

と、様々な悪臭に例えられることが多いです。感染や炎症の具合によって中身の色や匂いが変化します。

痛みはないが、徐々に大きくなる

炎症が起きていない段階では痛みはほとんどありませんが、皮脂や角質が徐々に蓄積され、数ヶ月から数年かけて少しずつサイズが大きくなっていきます。

初期には数ミリのしこりから始まり、放置すると数cm、まれに10cm以上にも達することがあります。

押すと皮膚の下でコリコリと動く感触がある

皮膚の下に袋状の構造があるため、皮膚表面とは少し独立したようなコリコリとした“動くしこり”として感じられることがあります。

これらの症状に心当たりがある場合は、ニキビや一時的な吹き出物と決めつけず、早めに皮膚科または形成外科の診察を受けることが大切です。

特に、一度できた粉瘤は自然に消えることがほとんどなく、放置すると感染や腫れを引き起こす可能性があるため注意が必要です。

できる場所

粉瘤は全身どこでも出来ます。

頭・顔・耳・首・肩・背中・胸・脇・腕・お腹・陰部・お尻・足ほぼ全ての部位にできますし、袋ごと完全に取り除かないと何度でも再発してしまいます。

粉瘤が出来やすい部位・場所の特徴

治療方法

当クリニックでは、粉瘤の診断・治療に特化した形成外科医が、体の全ての部位、炎症が起きている粉瘤でも当日の日帰りで手術で治療します。

手術時間は5分〜20分で終了します。局所麻酔を行う際の注射針が刺さる時の痛みを軽減するために極細針を使用するので、痛みが心配な方もご安心ください。

主に次の2つの手術法を用い、粉瘤の状態や部位に応じて最適な方法を選択しています。

  • 切開法
  • くり抜き法

切開法

袋ごと丁寧に取り除く方法で、再発のリスクを最小限に抑えます

当院の「切開法」

くりぬき法

小さな穴から内容物と袋を摘出する方法で、傷跡が目立ちにくく、術後の負担も少ないのが特徴です。

当院の「くり抜き法」

手術の費用・料金

粉瘤の手術は、健康保険が適用される外科的治療です。

3割負担の方であれば、粉瘤の大きさや処置内容によりおおよそ5,000円~18,000円程度が目安になります。(※別途、初診料や薬代がかかる場合あります)

露出部

露出部は、顔、首、肘から指先まで、膝から足先まで。

切除した粉瘤の直径の合計3割負担1割負担別途費用
2cm未満5,000~6,000円程度2,000円程度診察料・処方料
1,000円程度

検査費用
1,000円程度

病理検査費用
3,000円程度
2cm~4cm11,000~12,000円程度4,000円程度
4cm以上13,000~14,000円程度4,500円程度

非露出部

露出部以外の部位は以下になります。

切除した粉瘤の直径の合計3割負担1割負担別途費用
3cm未満4,000~5,000円程度2,000円程度診察料・処方料
1,000円程度

検査費用
1,000円程度

病理検査費用
3,000円程度
3cm〜6cm未満10,000~11,000円程度3,500円程度
6cm~12cm12,000~14,000円程度4,500円程度
12cm以上25,000円程度8,000円程度

当院の粉瘤治療にかかる料金

手術後の注意点・ダウンタイム

創部のケア手術直後は、傷口にガーゼを当てた状態でお帰りいただきます。
手術後1〜3日ほどは、血液や体液でガーゼが滲みやすくなるため、毎日新しいものに取り替えてください。ガーゼ交換の際、シャワーで創部を洗い流しても問題ありません。血液や分泌物が止まったら、ガーゼからテープに変更してください。
術後傷は2〜3週間は硬くなり、徐々に柔らかくなってきます。
入浴手術翌日からシャワーでの入浴が可能です。ただし、浴槽での入浴は感染リスクがあるため、抜糸するまで(約1週間)は控えてください。
運動背中は特に伸び縮みしやすい部位なので、特に注意が必要です。手術当日・翌日、場合によては抜糸するまで控えて頂いた方が安心です。
詳細については手術後にご説明いたします。
飲酒アルコールを摂取すると血行が良くなり、血腫(血のたまり)ができやすくなる恐れがあります。手術当日と翌日のアルコール摂取は控えてください。

まとめ

粉瘤の手術方法はどちらも局所麻酔で対応可能な日帰り手術であり、術後はそのままご帰宅いただけます。

「これが粉瘤かどうかわからない」

「まずは話だけでも聞いてみたい」

という方も、どうぞお気軽にご相談ください。

診察から手術、アフターケアまで一貫して対応する体制を整えてお待ちしております。

この記事を書いた人

著者画像
北海道皮膚のできものと粉瘤クリニック 札幌院 院長 荻野 航太

北海道皮膚のできものと粉瘤クリニック古林形成外科 札幌院では、皮膚疾患を専門とする日本形成外科学会認定の形成外科専門医が診療を担当しています。当院では、粉瘤、脂肪腫、耳垂裂などの疾患に対応した日帰り手術をはじめ、形成外科全般の診療を行っています。

北海道皮膚のできものと粉瘤クリニック古林形成外科 札幌院では、皮膚疾患を専門とする日本形成外科学会認定の形成外科専門医が診療を担当しています。当院では、粉瘤、脂肪腫、耳垂裂などの疾患に対応した日帰り手術をはじめ、形成外科全般の診療を行っています。

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