古林形成外科-札幌院

医療コラム

脂肪腫除去クリームは本当に効く?塗り薬の真実と正しい治療法を形成外科医が解説

「脂肪腫はクリームで取れる?」「手術せずに治したい」

首や腕、背中などにできた脂肪腫について、ネット検索をすると

“脂肪腫除去クリーム”

“塗るだけで小さくなる”

といった情報を目にすることがあります。

しかし結論から言うと、脂肪腫を根本的に治す塗り薬や軟膏は存在しません。

脂肪腫は皮膚の表面の病気ではなく、皮下の脂肪組織にできる良性腫瘍であり、治療には外科的な手術しか方法がありません。

この記事では、

  • 脂肪腫除去クリームや塗り薬が効かない理由
  • 脂肪腫は何科で治療すべきか
  • 保険適用で行える手術と費用の目安
  • よくある不安や疑問への回答

を、形成外科の視点からわかりやすく解説します。

「手術は避けたい」「今すぐ取るべきか迷っている」という方も、判断の材料としてぜひ参考にしてください。

脂肪腫除去クリームや塗り薬・軟膏は本当に効く?

結論からお伝えすると、脂肪腫を治すことができる除去クリーム・塗り薬・軟膏は存在しません。

脂肪腫は、皮膚の表面にできる病変ではなく、皮膚の下の脂肪組織が増殖してできる「皮下腫瘍」です。

そのため、皮膚の上から塗る薬が脂肪腫そのものに作用することは絶対にあり得ません。

いくつかの脂肪腫除去クリームを調べてみると、その成分の詳細がなく、天然成分(ハーブ)という記載しかなく、どのような機序で作用するか医学的な根拠が全くない商品と言えます。

 なぜ脂肪腫に塗り薬は効かないのか

塗り薬や軟膏が効果を発揮するのは、皮膚表面や皮膚付属器に関連した疾患がほとんどで

  • 湿疹
  • 皮膚炎
  • 細菌感染

など、皮膚表面〜浅い層のトラブルに限られます。

一方、脂肪腫は、

  • 皮下深部に存在
  • 被膜(袋)を持つ
  • 正常な脂肪細胞そのものが増殖している

という構造のため、外用薬が届くことはありません。

仮に「小さくなった気がする」場合があっても、

それは

  • むくみが引いた
  • 触り方が変わった

といった見た目や感覚の変化に過ぎず、脂肪腫自体が消えたわけではありません。

ネットや市販で見かける「脂肪腫除去クリーム」の実態

インターネット上では、

「塗るだけで脂肪腫が消える」

「手術不要で治る」

といった表現の商品を見かけることがあります。

しかし、これらには

  • 医学的根拠
  • 臨床データ
  • 医療機関での使用実績

がありません。

もしこの薬が本当に脂肪腫を小さくできるとしたら、理論的には正常の脂肪細胞も小さくできる事になり、塗るだけで身体の形を変える事ができる夢の薬であると言えますが、そんな薬があったら既にノーベル賞を獲得しているでしょう。

「切りたくない」という気持ちは自然ですが、

効果のないものに時間と費用をかけている間に、脂肪腫が大きくなってしまうケースも少なくありませんので、早めに形成外科クリニックを受診しましょう。

脂肪腫の手術は何科で治療するべきか

脂肪腫の治療は、診療科選びがとても重要です。

 形成外科で治療するメリット

形成外科は、

  • 皮膚・皮下腫瘍の手術
  • 傷跡を目立たせない縫合
  • 神経や血管への配慮

を専門とする診療科です。

脂肪腫は良性腫瘍ですが、

  • 耳の裏
  • 太もも

など、目立つ場所・動く場所にできることが多いため、

形成外科での手術が最も適しています。

形成外科・皮膚科・整形外科との違い

皮膚科では、

  • 診断
  • 経過観察
  • 小さな処置

は可能ですが、脂肪腫の摘出手術を行わない施設も多いのが実情です。

整形外科は、

  • 筋肉や骨に近い脂肪腫
  • 深部脂肪腫

には適していますが、

皮膚の縫合や傷跡への配慮は形成外科に分があります。

「まずは形成外科で診断を受ける」

これが最もスムーズなルートです。

保険適用で行える脂肪腫の手術費用

脂肪腫の手術は、原則として保険適用です。

美容目的ではなく、治療として認められています。

費用の目安(3割負担の場合)

  • 2cm未満:5,000〜10,000円前後
  • 2〜4cm:10,000〜20,000円前後
  • 4cm以上:20,000円前後〜

※部位・深さ・個数によって前後します

※別途、初診料・検査費用がかかります

「思ったより安かった」と言われることも多く、

除去クリームを何本も買うより結果的に負担が少ないケースもあります。

Q&A

脂肪腫と診断されましたが、1cm程度でも大きくなりますか?

はい、大きくなる可能性があります。

脂肪腫は

  • ゆっくり
  • 年単位で

成長することが多く、最初は1cmでも数年後に5cm以上になることもあります。

小さいうちに取る方が

  • 手術時間が短い
  • 傷が小さい
  • 負担が少ない

というメリットがあります。

 首や耳の裏など複数の脂肪腫を一度に取ることは可能ですか?

状態や部位によりますが、可能なケースが多いです。

  • 同じ体勢で手術できる
  • 麻酔量が問題ない

場合は、1回で複数個摘出することもあります。

事前診察で個数・大きさを確認し、計画を立てます。

5cmほどの脂肪腫があります。大きくなると手術の痛みも強くなりますか?

麻酔の痛み自体は、大きさによって大きく変わることはありません。

ただし、

  • 切開範囲が広くなる
  • 剥離操作が増える
  • 術後の腫れや違和感が出やすい

といった点で体への負担は大きくなります。

そのため、可能であれば大きくなる前の摘出がおすすめです。

大きすぎる場合は全身麻酔下での手術や入院を要する場合もあります。

まとめ

  • 脂肪腫を治す除去クリームや塗り薬は存在しない
  • 脂肪腫は皮下腫瘍であり、外用薬では届かない
  • 根治治療は袋ごと摘出する手術のみ
  • 形成外科での治療が最も安心・確実
  • 小さいうちに取ることで全身麻酔や入院を避けられる

この記事を書いた人

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北海道皮膚のできものと粉瘤クリニック 札幌院 院長 荻野 航太

北海道皮膚のできものと粉瘤クリニック古林形成外科 札幌院では、皮膚疾患を専門とする日本形成外科学会認定の形成外科専門医が診療を担当しています。当院では、粉瘤、脂肪腫、耳垂裂などの疾患に対応した日帰り手術をはじめ、形成外科全般の診療を行っています。

北海道皮膚のできものと粉瘤クリニック古林形成外科 札幌院では、皮膚疾患を専門とする日本形成外科学会認定の形成外科専門医が診療を担当しています。当院では、粉瘤、脂肪腫、耳垂裂などの疾患に対応した日帰り手術をはじめ、形成外科全般の診療を行っています。

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